訪問日時:2015年4月26日
エルサレム観光はこの日が最後。いよいよ神殿の丘へ。
聖墳墓教会、キリストの墓へ
朝一番で向かったのは初日に訪れた聖墳墓教会。その時はたくさんの人で混んでいたため見れなかった「キリストの墓」を見学。
朝8時とはいえ多くの観光客がいましたが、それでも一昨日よりも少なく、すんなりとキリストの墓を見ることができました。
入り口、内部は非常に狭いため、一度に4人しか中には入れません。まず4人列に並ばされてこの組が1グループとなり、1グループずつ入れ替わりで中に誘導されます。中にはまず小さな部屋があり、更にその奥に「墓」があります。まずその小さな部屋で待機、前のグループが墓から出てきたら入れ替わりで入る、という仕組みです。内部は撮影は可能だったような気がしますが、撮影している人は皆無でしたので、私も撮影はしませんでした。キリストのお墓には、跪いてその台に皆キスをしていたので、私もそのとおりにしてみました。キリスト教徒ではないとはいえ、私自身も非常に神聖な気持ちになった気がします。
エルサレム観光最大のハイライト「神殿の丘」へ
続いて、向かったのは神殿の丘。エルサレム観光最大のハイライトといえるでしょう。神殿の丘へは、ムスリム以外の人は、昨日訪れた「嘆きの壁」のすぐ隣りの「モロッコ門」からのみ入場が許されています。この日の入場は9時から。8時30分ころ到着したのですが、既にたくさんの観光客で行列ができていました。
それでも並び始めて1時間程度、9時30分頃にはゲートの入り口にたどり着きました。もちろん手荷物検査、ID検査もしっかりと行われます。嘆きの壁へ入る時よりも厳しかったのではないでしょうか。嘆きの壁ではパスポートのチェックはありませんでしたから。ちなみにユダヤ教徒は立ち入りが認められていないようです。
さて、神殿の丘へは、このような木製の通路から向かいます。
嘆きの壁のすぐ脇にあるこの木製の通路です。この日に撮った嘆きの壁の全景写真からも確認することができますよね。ここは完全にムスリムの支配地ですからね、こうやって乖離されているわけですが、なんとも言えない気持ちになりますね。
ちなみにこの木製通路から嘆きの壁がよく見えます。なお、この日は休息日(土曜日)ではないので撮影はOK。
そして、無事通路を抜けて、念願の神殿の丘へと足を踏み入れました。
美しさに圧倒「岩のドーム」
さて、この神殿の丘の中央にそびえ立っているのが「岩のドーム」です。ここはユダヤ教、イスラム教にとって聖なる場所であり、それが故にこの場所を巡って様々な対立を起こしてきた場所にもなっております。このドーム内にある「聖なる岩」がとても重要で、ユダヤ教にとっては、旧約聖書に登場するアブラハムが息子イサクを神のために捧げようとした台であるとされ、イスラム教徒にとっては、預言者ムハンマドが一夜のうちに昇天する旅(ミウラージュ)を体験した場所(Wikipediaより)とされているそうです。
残念ながら現在ではムスリム以外の見学は禁止されていますので、外からの見学、写真撮影のみとなりました。しかしながらとても美しい。現在のデザインは、オスマントルコ時代のスレイマン1世の命によるものだそうです。
アル=アクサモスク
神殿の丘にあるもう一つの代表的建築物は「アル=アクサモスク」。しかしここもムスリム以外の入場はできませんでした。
神殿の丘には売店もトイレも無いので注意!
神殿の丘でいろいろ写真撮影をしていたらあっという間に30分が経過。ちょっとトイレに行きたくなり、そして喉が渇いたのでお水でも、と思ったのですが、残念ながらこのエリアには売店もトイレもありませんでした。ということで、必ず事前に飲み物を持参、そしてトイレを済ませておくことをおすすめします。
再び「嘆きの壁」に
神殿の丘を出るときは入ってきたモロッコ門以外の場所から自由に出ることができますが、一旦出てしまうと戻れませんので要注意。この日はたっぷりと時間があったので、前日訪れた嘆きの壁を再訪問しました。安息日ではないので写真撮影が可能だからです。前日の安息日と比べると、人はやや少なめ、そして開放的な感じでした。観光客も多かったです。
当然ですが、正統派ユダヤ教徒の方もたくさんいました。
振り返って後ろに見えるのはユダヤ人街。ヨーロッパ調の街です。
こうしてみるととても穏やかな街。嘆きの壁も神殿の丘も普段は市民や観光客で賑わう平和なスポットなんですけどね。
オリーブ山へ
続いてオリーブ山へ向かうことにしました。歩いて行くこともできなくはないですが、急な坂道そしてこの気温(30度は超えていたかと)ですのでタクシーで行くことにしました。タクシーは嘆きの壁を出た当たりにいくらでも停まっていましたので、そのうち一台に接触。相変わらず「ベツレヘム、ジェリコに連れてってやるよ」的なことを言われましたが、「オリーブ山でおろしてくれれば十分。10シュケルくらいか?」と言うと、「15シュケルだ」ということなので、問題無いと判断、乗り込むことにしました。
オリーブ山は、エルサレムの東側にある小さな山。今でこそイスラエルが実効支配しているとはいえかつての東エルサレムですから、住民の殆どはアラブ人、つまりパレスチナ人。過去いろいろあったんでしょうね、詳細は省略しますが、正直、雰囲気は悪かったです。確かにガイドブックにも「治安が良くない」と書いてありました。
とはいえ、ここからの眺めは最高です。
ところで、この山の上には、復活したイエス・キリストが昇天した場所に建てられた「昇天教会」があるのですが、今はモスクとなっているようで、怪しいアラブ人が数人警備をしていたため、近寄りがたく、見学を諦めました。これを見ることが目的だったのになんとも残念です。
そして、この山の斜面には「ユダヤ人墓地」が連なっています。聖書で予言されている「終わりの日」に現れる「メシア」は、この山の上に降り立つと呼ばれていることから、この場所に墓地が作られたようです。
ちなみにこのメシアはまだ現れてはいないとするのがユダヤ教、イエス・キリストこそメシアというのがキリスト教、ということになります。
ユダヤ人墓地を左に見つつ、オリーブ山を下り、再びエルサレム市内に戻っていきました。途中、「マグダラのマリア教会」などいくつかの教会がありましたが、この日曜日の正午付近に観光できたのは、「主の泣かれた教会」だけでした。
オリーブ山を下って、再びエルサレム旧市街へ戻ることにしました。(この日の日記の続きは次回)