Bitcoinをはじめてみました No.3

第一回 Bitcoinをはじめてみました No.1、第二回 Bitcoinをはじめてみました No.2の続きです。(今回で最後です。)

11. 取引所に日本円を入金してみました

取引所指定口座への振込という、ちょっと残念な原始的な方法をとっています。当然ながら、銀行振込ですので24時間土日祝日は対応しておりません。現実通貨だから致し方なしともいえますが、もう少し改善されるといいですね。

取引所にもよりますが、基本入金確認はすぐしてもらえるようです。私は、手始めにcoincheckとQuoineに入金をしていました。振込手続きは日曜日中に済ませましたが、coincheckは早速月曜日の9時直後に入金確認したとのメールが、Quoineはシンガポールの会社ということもあるせいか、入金確認したとの連絡は正午12時ころでした。事前にある程度入れておかないと、面倒かもしれません。

12. 取引所にてビットコイン取得してみました

取引所に日本円が入金され、ダッシュボードに残高が反映されれば、すぐにでもビットコイン取引ができます。

まず入金が早かったcoincheckで早速取引開始。まずは何が何でもビットコインを入手してみたかったので、ビットアスクスプレッドを気にせず指値ですが確実に取りに行ってみました。

これが人生初のビットコイン!

13. 取引所からウォレットにビットコインを送金してみました

取引所でビットコインを入手したら、今度はそれを自分のウォレットに送金します。ここでビットコインアドレスの登場です。なんとなく本などを読んで知ってはいましたが、実際にウォレットを使い始めるとすぐに理解できます。

「入金送金に使用するビットコインアドレスは、その都度変えるべき」だと言われてはいますが、なんだか面倒だなあ、そう思いません?実は簡単にビットコインアドレス作れます、幾つでも。

blockchain.infoのウォレットではボタン一発で何度でもビットコインアドレス作成可能。

ビットコインアドレスは、こうしてランダムで作成することが可能です。そして当然ですが、自分のウォレット内で作成したビットコインアドレスであれば、都度それが異なっても同じウォレットに送金されます。非常に安心できますね。

さて、このBitcoinアドレスを利用して自分のウォレットにBitcoinを入金するには、このウォレット内で発行したBitcoinアドレスを、取引所の送金ページ該当欄に入力、実際にはコピペします。あとは、送金したいBitcoinの数量を入力、そして確認ボタンを押すだけです。

ちなみにビットコイン送信の手数料は、0.0002 BTCでした。固定のようですので、高々0.3 BTCしか送金しないと割高なのかもしれませんが、それでも今のレートで換算して10円程度ですからとても安いです。

送金が完了すると、取引所からメールがきます。coincheckはすぐにメールが来ました。送信後1秒以内でしたでしょうか。

そして、ウォレットへの反映も数秒程度、速いです。

今度はQuoineでも試してみました。こちらは送金コストはゼロ。お得?かと思いましたが、やはりこちらはなんだが入金手続きまで時間がかかる様子。反映されるまでには結局2時間ほどかかりました。

手動で取引所の人が行っているのでしょうか?あるいはすぐにはポジションを持っておらず、出金手続きがあってから再調達してるとか?でも、後者だと流石に保有者の許可が一般的にはいるはずなので、きっと中の人が手動で行っているのでしょう。もっともBitcoinにこれまでの常識が通用するとは思いませんが…。

なお、Quoineのように手動で入出金行っているのは、例のMt.Goxの件の影響という話もあるようです。

いずれにせよコストゼロは魅力ですので、Quoineさんの今後に期待しましょう。

14. 取引承認には10分から15分ほど時間がかかります

さて、再びウォレットにログインして問題なくビットコインが振り込まれたのかを確認してみました。

どうやら、問題なく振り込まれていたようですが…、

「Unconfirmed Transaction!」となっています。実はビットコイン、取引成立までには10分から15分ほどかかるという性質があります。

これは、ビットコインでは「承認」と呼ばれる過程がなされるからです。この過程、一般的には10分程度かかると言われています。

bitcoin.orgから引用しますと、

“承認とは、取引がネットワークで処理され、取り消されることはほぼないという意味です。取引が ブロック やそれに続くブロックに含まれた時、承認を受けます。”

そして、具体的に承認はどう行われるのか、それが「採掘:マイニング」です。

“採掘は、分散型合意システムでありブロックチェーンへの取り込み待機中の取引を承認するために使用されます。採掘は、ブロックチェーンの時系列を強化し、ネットワーク中立性を保護し、最先端のシステムでコンピュータ同士の合意を可能にします。”

確かに本などには書かれていましたが、実際に自分で取り扱ってやっとその意味が理解できました。

そして、15分くらいしてから再びウォレット内で確認してみると、

確かに、「Confirmation」されておりました。時間の経過とともに承認回数も増えてきました。

これで、日本円からビットコイン換金までのひととおりの作業を終えました。初めは少々不安な面もありましたが、仕組みさえ一度理解してしまえばさほど難しくもなく、無事に取引を行うことができたと思います。

15. ビットコインのリスク

さて、ここで、ビットコインに関する一般的なものから、日本において考えられるリスクを考えてみます。なお、取引そのものやウォレットがサイバー攻撃を受けることにより発生するようなリスクは、別の著書なりサイトでたくさん紹介されているので、ここでは省略します。

「その1:市場リスク」

市場性のある商品ですから当然あります。2013年1月3日からから2015年3月1日の期間で計算したBTM/USDのヒストリカルボラティリティは96.67%(出所、日次データ年率化、価格取得時間は毎日次18:15)、これは、USD/JPYの6.67%(出所、日次データ年率化、おそらくWTMロイター?)をはるかに上回っております。一資産として、資産運用対象として捉えるならば、ある程度は抑えておきたいリスクです。

このリスクは、特に投機的な利用や資産運用に利用するつもりは今のところ全くないので、私自身にとっては、将来暴騰して購入金額が上がると困るくらいのリスクでしかありません。

「その2:日本国内で普及しないリスク」

そもそもビットコインを入手しても使い道があるのか、ということです。確かに世界的に見てもビットコインを始めとした仮想通貨は普及しつつありますが、将来どうなっていくのかは各人が個別に自己責任で持って予測して対応すべき問題といえうでしょう。

日本に関して言うと、国民性なのか、マスコミがその性質についてきちんと報道できていないせいなのか、かなり世界から後れを取っているようにも思えますが、個人的にはあまり気にしていません。とても根拠のない楽観的な考えですが、日本人はおそらく電子マネーが好きですし、いまやPASMOやSUICAを始めとした電子マネーに慣れているので、世界的にビットコインが普及してくれば、自然と日本でも普及してくると思っています。

このリスクは、海外旅行やECサイトでの利用を中心に考えていますので、個人的には、日本国内での普及が進まなくてもそれほど問題にはならないと考えています。

「その3:承認までに時間がかかるリスク」

普及しにくい別の理由としてはこちらもあるかと思います。確かに店舗、飲食店等でビットコインによる支払いをした時、10分も待たされるのは現実的ではないでしょう。

この承認そのものは、ビットコインの根幹をなしている考え方、仕組みですので、そのもの自体がなくなることはまずないと思いますが、技術面や制度面、たとえば承認までの10分間の信用を代行する等により、解決できる可能性は十分にあると考えられます。

こうした技術、ビジネス両側面の進展がすすむことを期待すれば、個人的にはさほど大きなリスクにはならないと思います。

ちなみに、取引の不承認、二重取引になってしまう確率は知っておきたいですね。今のところ不勉強なのでわかっておりませんが、こういう数字も公表されているのでしょうか?

「その4:取引所が破綻してしまうリスク」

ビットコインが普及していく限り、安心できる、信頼できる私設取引所を自己責任で選択できるかぎりにおいては大きなリスクにはならないと思います。

また、多くの取引所を利用することで、取引所リスク自体を軽減することもできるでしょう。

そして、ウォレットと取引所の違いをきちんと把握し、適宜取引所で換金したビットコインをウォレットに入金し、ウォレットを厳密に管理してさえいれば、取引所破綻リスクは直接的なリスクにはなり得ません。

このリスクは、ウォレットの管理を徹底すれば十分回避可能なので、私にとってはほぼ皆無だと考えています。

「その5:取引所での日本円両替ができなくなるリスク」

一方で、日本円に対応、日本の銀行振込に対応可能な取引所がなくなってしまうというリスクはあります。一般の人にとっては、マイニングによるビットコイン取得はほぼ不可能ですから、リアルな世界の通貨とビットコインの交換手段はとても大事です。

特に我々は日本にとっては、日本円を日本の金融機関から取引所へ振り込むという手段を確保できる取引所の存続は、ビットコイン使用における死活問題となってきます。いまのところ、日本円とビットコインを簡単に交換できるのは日本の取引所くらいですからね。

この意味でもビットコインの国内普及が非常に期待されます。

もっともこのリスク、日本の金融機関の閉鎖性にも依存しているんですよね。世界的な従来の金融機関にも言えることでしょう。発展しつつあるとはいえ、まだまだ所詮仮想通貨。現実には勝てません。

しかし、これについてもまだ将来性はあると思います。少なくとも現時点では、非常に割高ではあるものの、個人間での取引(LocalBitcoins.com)やPaypalでの支払いに対応しているサイト(VirWoX)もあります。このあたりがもっともっと発展することで、手数料も下がり利用しやすい環境になることを期待して良いと思います。

いずれにせよ、いまのところはやはり日本の取引所経由での入手がベターでしょう。

このリスクは、これまで紹介したもののなかでは、私にとって最も影響が大きいと考えています。近い将来、もっと出来高の多いグローバルな取引市場、例えばBitstampなどの利用も検討したいと考えています。

「その6:取引所がサイバー攻撃を受けたため発生するリスク」

これについては、「その4:取引所が破綻してしまうリスク」と同様のリスクと考えられます。

「取引所の自己責任による選択」「利用取引所の分散」「ウォレットと取引所残高管理の徹底」、この3つを徹底することで十分軽減可能なリスクです。

その4同様、私自身にとっては大きなリスクであるとは思っていません。

「その7:取引所が不正をするリスク」

まさにMt.Goxの例がこのパターン。しかし、こちらも基本はその4、その6と同じだと考えています。繰り返しになりますが、「取引所の自己責任による選択」、「利用取引所の分散」、「ウォレットと取引所残高管理の徹底」、これらを通して軽減可能なリスクと考えます。

いうまでもなく、私自身にとっては、十分対処できるリスクの一つでしょう。

16. ビットコインの今後に期待したいこと

とりあえずは普及すること、ですね。

やはり小額決済に便利であるということ、また国家に属さいない通貨のため「両替」が必要ないこと、ということで世界中どこでも使える、特に旅行時にもっと活用できると、非常に嬉しいです。

また、個人的には、アフィリエイトをビットコインで受け取れるようなしくみがもっと増えると嬉しいです。海外のサービスではいくつかあるようです。国内でもちらほら出来てきてはいるようですが、ソーシャルゲーム臭がするので、正直なところ今の時点では見送りたいところです。

ECではありませんが、クレジットカード等の各種ポイント、マイレージ、家電量販店のポイント、こういったところでもビットコインが取り扱われるようになると、私自身の利用の幅も広がり、大変おもしろくなってくることでしょう。

そして、少し専門的かつ理想の高い話となりますが、ビットコインがより現実の経済に影響をあたえるようになるためには、やはりビットコインに関するファイナンス機能がもっともっと発展していかなければなりません。少なくとも債券や株式の発行といった資金調達手段として、もっと認知されなければならないでしょう。そもそも、ビットコインの金利とはなにか、という話もあります。それを理解するためにもやはりビットコインによる証券発行機能は必須でしょうね。

こうしたファイナンスが可能なくらいに高い認知度と流動性が実現すると、さらに高度なビットコインを原資産とした信用取引やデリバティブ取引に発展していくはずです。…などど書いていたら、すでに昨年あたりからビットコイン・デリバティブが、いろいろと動き始めているようです。

Ex-Goldman, Paribas Execs Launch Bitcoin Derivatives Exchange http://www.coindesk.com/former-goldman-director-launches-bitcoin-derivatives-exchange/

TeraExchange Receives US Approval to Launch First Bitcoin Derivative http://www.coindesk.com/teraexchange-bitcoin-derivative-cftc/

世界の流れは速い、調べれば調べるほどいろいろな情報が入ってくる…。本件とてもおもしろいので、後日、要チェック&勉強して、あらためてまとめてみようと思います。

17. 最後に:とりあえず多少遅くなっても流行りものには手を出して様子を見たい

以上、予想以上に長くなってしまいましたが、興味半分で始めたビットコインについて、ひと通り自分なりの始め方をまとめてみました。ビットコイン、何と言っても、その仕組みから、既存の政府、国家、金融機関から完全に独立しているところは大変魅力的で理想的です。投機以外のところで、ハマってしまう予感がします。(正直、投資にはほとんど興味ないです。)

相変わらずこういったテック系の流行ものには目のない私。そして、そうはいっても、流行の最先端に飛び乗れるほどのセンスは全然ないようで、毎度ながら微妙に乗り遅れている感もあります。しかし、幸いなことに、まだまだ発展途上のようですので、今後、大きく普及し始めた時に、何食わぬ顔してさり気なく、その利便性を満喫できればいいなと考えています。

どうしても昨今のサイバー攻撃による被害報道や、昨年のMt.Gox事件もあり、過剰にそのリスクや、厳重なセキュリティーが必須といった話が多く、それらが非常にビットコイン普及のハードルを高めているの事実です。その仕組やリスクに対する対処法をきちんとわかりやすく理解させるという啓蒙も、普及には欠かせない要素でしょう。

今後も引き続きビットコイン関連のニュースには着目しつつ、幅広い活用がされることを期待し、その流れに取り残されないようにしたいです。

18. 参考サイト、文献一覧

プロフィール

都内の会社に務める傍ら、休暇を利用して旅行をしたり音楽活動をしているビジネスマン。趣味は、旅行、音楽など。旅行はヨーロッパが中心、現地でレンタカーを借りて旅することにはまっています。フランスの最も美しい村全156箇所を完全制覇!音楽はクラシックが中心。ヴァイオリンの演奏もします。最近は健康のためにランニングを開始。マラソンも。Marathon du Médoc 2014含む数回のフルマラソンを完走しています。