今回の旅行記のワイン博物館ですが、今回のギリシャ旅行において、サントリーニ島初日最初の観光ながら、ある意味最大級のインパクトといっても過言ではありません。
そして、もしこのサントリーニ島へ訪れることがあったのならば、ゼッタイに行くべきだと太鼓判を押すスポット。
さてさて無事ホテルでクルマを手配。
クルマさえゲットしてしまえば水を得た魚のように駆け巡ることができる、そんな我々がこの日最初に訪れたのはフィラの街からサントリーニ空港方面に向かう途中にある「ワイン博物館」でした。
少々道に迷ったとはいえ、フィラの街から10分程度で到着。
朝いちばんということもありますが、観光客は我々だけ…、一番のりといったところでしょうか。第一印象は閑散としてホント大丈夫?といった感じでした。
いやだって、こちらのWebがびっくりくらい立派だったので…、すっごく拍子抜けしたわけです。
Wine Museum Koutsoyannopoulos – Home
http://www.wine-museum-koutsoyannopoulos.gr/en/
とりあえずきてしまったものは仕方がない、エントランスをくぐり建物内へ、おみやげ屋風の店内でチケットを購入、
このときまず驚いたのが、「オーディオガイド」の対応言語の種類!
ギリシャ語、英語、スペイン語、ドイツ語、フランス語、イタリア語、ロシア語、中国語、韓国語、日本語、トルコ語、ルーマニア語、ブルガリア語、ポルトガル語、ブラジルのポルトガル語。
驚きの14言語対応(笑)
ガイドブックにいたっては、さらに増えて22ヶ国語対応だとか…。
なぜここまでやるんだ…。
とりあえずせっかくだから日本語のオーディオガイドをかりて、いや半ば勝手に渡された感じで地下の醸造所後を利用した博物館へと向かいました。
まずこのあたりまでは、割りとふつーな感じ。
最初の階段を降りてこのあたりまでくると、オーディオガイドが始まります。
まあこんな地方のオーディオガイドなので、いかにも機械っぽい日本語を話すガイドで、あーなんか時間掛かりそうでめんどくさい展開だなって後悔をし始めたその時!
「くっちょやのぷろすけが…」
と突然ガイドがのたまいはじめたのだ!
「ぷ、ぷろ助??」「しかもくっちょ家のだと??」
どうも「くっちょ家のぷろ助」とは、この島のワイナリーのオーナーで、サントリーニ島の経済にも多大に貢献した名士なんだとか。
にしても、確かに日本語ガイドだから日本語なんですけど、それにしても名前までがとっても和風すぎて気になってしかたながい…。
そんなこともあり、一気に興味が湧いてきたのです。
ということで、わくわくしながら次へ進んだその時!
突然真っ暗だった洞窟に明かりがつき、人形が突然動き出したのです!
怖い、いろいろ怖すぎる…。子供ならゼッタイに泣き出すって…。いま思い出しただけでも怖いです。
がしかし、変な日本語ガイドとひたすら登場する名士「ぷろ助」ではありますが、聞けば聞くほどサントリーニ島のワインの歴史の理解が進みこれがとっても面白いのです。
ここは雨が少なく乾燥しているので、サントリーニ島のぶどうの木は地面を這うように茂っていること、ぶどうの圧搾技術の進化、ぷろ助がどこから圧搾機を輸入したのか、その経緯や歴史など、詳細に解説していました。
特に圧搾機の技術進化と、ぶどうの風味を失わないようにする工夫について、とても勉強になりました。
半分以上が怖い人形劇ではありましたが、それ以外の展示も豊富、いつのまにか夢中になって地下博物館を歩いていました。
ちなみにサントリーニ島のワイン、1970年代までは革袋にいれらていたそうです。瓶が普及したのはこの30年あまり、当時はまだ偏見がつよくなかなか瓶が普及しなかったようです。
怖い人形にもだいぶ慣れて1時間くらいしたころ、ようやく洞窟ミュージアムの出口が見えてきました。
最後の展示は「ぷろ助」のオフィスと彼のバイオグラフィー。
「ぷろ助」めちゃめちゃ外人じゃん、あたりまえだけど…。
とても仕事熱心な彼のオフィスの椅子には背もたれがなかったとか。一日中寄っかかることなく仕事に没頭したのだそうです。
これで地下博物館は終了。再び外へと戻って来ました。そして我々は気がついたのです!
そう、
「Koutsoyannopoulos」(クッチョヤノプロス)
そういう名前なのか!いや名前だってことはわかっていたのですが、なるほど!
でもしかしなぜ「ぷろ助」なのか?
結局、
「クッチョヤノプロス家」
という事実に気がつくにはさらに数日がかかりました(笑)。
地下博物館を終えますと、最後は試飲が待っています。なんとこの試飲の解説もオーディオガイドであります。これはいい!
サントリーニ島にしかないアシリティコというぶどうで作られた白ワインからはじまり、その後、赤ワインやデザートワイン数種類を試飲。といっても運転があるのでちょっと舐める程度ではありましたが、味わうことはできました。
これにてワイン博物館観光は終了。おみやげに赤白ワインをそれぞれ1本ずつ購入。それぞれ15ユーロでした。
当初閑散としていたミュージアムも我々が観光を終えた頃には数組の観光客がやってきてました。
はじめこそ、怪しそうな雰囲気で不安いっぱいだったこのワイン博物館でしたが、本当にきてよかったです。
なお、後日、おみやげで買ったワイン、白ワインの方を自宅で飲んでみましたが、そのおいしさにびっくり!
おいしすぎてもっと買ってくればよかったと後悔したくらいです。
最初から思わぬ大収穫と大興奮のサントリーニ観光でした。
(まだサントリーニ編ははじまったばかり、続く。)