今年も新春恒例の箱根駅伝が開催されました。
それにしても第88回って物凄い伝統ですよね。
子供の頃からのファンでもう20数年ずっと毎年欠かさず見ています。今年もワンセグでの視聴でした。
しかし、なんだろう、年々つまらなくなってきているんですよね。ただ単に個人的に飽きてきただけかなあ…。
東洋大学の圧勝
今年は東洋大学が完全優勝。昨年の雪上果たしましたね。柏原だけでなくチームひとりひとりの意気込みが違った。区間賞もほぼ総ナメでもう非の打ち所が無い優勝だったと思います。おめでとうございます。
それにしても柏原はすごいねえ。
ただ復路早々で優勝が確定してしまった分、おもしろさがかけてしまったところもあるかなー。
しかし、むしろこのつまらなさ自体はとても良いことだと思います。
過去を見てみると、自分がテレビ放送を見だした20年前なんかは順天堂大学が強すぎましたからね。それに比べればまだましな気がします。僕はよくわかりませんが、さらに過去に遡れば中央大学なども強かったようですし。
ということで、箱根の歴史を見ても圧倒的に強い大学自体があることは問題ない、というか勝負事なので当然のことだと思います。
むしろ気になったのはこの圧勝の裏で起こっていた出来事。
シード権争いが画面を見ていてもイマイチよく伝わってこない
近年箱根駅伝の盛り上がりにおいて非常に重要な影響を与えているのは、間違いなくシード権争いだと思います。
多くの大会では優勝争いにしか関心が行かないなか、シード権にフィーチャーできる本体会はエンターテイメントとして素晴らしいと思います。このシード権争い、確かにドラマがあって盛り上がりますよね。
しかし、今年はそのシード権争いがテレビの画面を見ていてイマイチ伝わってこない。
東洋大学が強すぎて、復路一斉スタート校が多すぎたんですよね。さらに10位以下が団子状態で各チェックポイントでの順位の入れ替えが激しい。
結局テレビではなくネットの速報を見ていました。
出場校が多くなったことによる弊害?
こうした大混乱や複雑さの原因は、おそらく出場校が19校に増えたせいだと思っています。10年くらい前までは15校でしたよね。もちろん関東学連選抜はありませんでした。
近年たまたま各大学の実力が拮抗していて、復路一斉スタート校が今年ほど多くなかった、あったとしてもそれほどトップとは引き離されていなかった、そんなこともあってそれほど複雑で混乱した状況に感じなかったのではないかと思っています。
それが東洋独走ということによって、実は複雑になっていたことが露呈してしまったのでしょう。
もちろん過去にも先に述べたとおり独走するチームはありました。しかし今ほど注目度が高かったわけではなく、ましてやシード権争いなどここまでドラマティックに注目させることはなかったと思います。
今の時代でも、シード権争いに着目した放送を諦めればたいした問題にはならないでしょう。
しかし言うまでもなく優勝争いだけでなくシード権争いあっての箱根駅伝に変わりはないはず。従って、この複雑なシード権争いの状況を整理して放送できるようになることは必須の課題といえるでしょう。
10年以上も変わっていない放送スタイル
それにしても、各号車の切り替えのタイミング、毎回同じ顔ぶれの解説者、そろそろネタがつきつつ有る様な今昔物語、どうでもいい修辞だらけのうるさい実況、同じ会社のCM。
中継自体が本当に昔と変わっていない。もう19年くらい、いやそれ以上同じような放送をしてますよね。うっかり間違えて去年とか一昨年とかのVTRを流しても気が付かないかもしれない。
放送自体がものすごくマンネリ化しているのではないでしょうか。
おそらく中継ノウハウもたいして向上していないんじゃないかと思いました。
中継車の切り替え、一元的放送の限界
上記放送スタイルが変わっていないことにも大いに関係していると思うのですが、今回は特に中継車の切り替えがぱっとしなかったと思います。いったい誰を映したいのか。
これは毎年のことですが、見たいときにトップの位置が伝わってこなかったり。現在の全体の順位は、自分が応援している大学の順位は、こういった情報はテレビでは全く把握できないわけです。
とぎれなくテレビで放送できる機材を投入しながらその多くは無駄に活用されずに終わってしまう、ひとつの視点でしか伝えることができないテレビの限界を改めて感じました。
それでも近年はウェブサイトを活用できている
それでも最近は時代の流れというべきか、数年前からウェブサイトによる情報発信もずいぶんと便利になってきております。
僕がよく見るのは、1区間に4箇所程度ある計測ポイントの速報のページ。横浜駅前をどの順番でどのくらいのタイム差なのか、リアルタイムで把握することができてとても便利です。もちろん大学名や選手名もすぐわかります。
最近は、テレビを見つつもネットでこうした速報をチェックするという観戦スタイル、これなかなか面白いんです。
いつもはカメラの切り替えがイマイチでもこの速報サイトで臨場感あふれるテレビ観戦ができたのですが、今年はカメラの切り替えがイマイチだったせいなのか、いやそれ以外の原因なのか、なんだかいつもと比べるとあまり楽しく観戦ができなかったんですよね…。
ソーシャルメディア活用のほうが面白いかも
今日たまたま友人が鶴見中継所に行っていてツイキャスで現場の中継をしていたのですが、おせっかいながら現場の彼らに情報を伝えるのに一番役立ったのは日テレの箱根駅伝サイトの情報でした。
また、昨日は、スタート地点にも友人がおりまして、彼もそこからツイキャスをしていました。
これをだらだら見てるだけでも意外といけるんですよね。
いろんな視点からツイキャスやUstreamなどで一般の方が中継しているのを。自分が思うがままにはしごして、かつ先に紹介した計測ポイントの速報サイトを見る、この観戦スタイルのほうが自由度ありますし、全然面白いなあって思って来ました。
いずれにしましても、先にあげたシード権争いも、こうしたウェブサイトを有効利用しながらでないとリアルタイムの争いを楽しむことができないと。少しでもその活用をテレビ中継に活かすことができれば、たとえテレビ中継では限界があっても、よりシード権争いを面白く伝えられたのではないかと思いました。
ちなみに、twitterも有効なのですが、現時点では残念ながら単にテレビ実況になっているケースが多いように思います。
東洋独走が露呈してしまった数々の問題点
いずれにしても、せっかくの独占中継にもかかわらずテレビというメディアが全然活用しきれていなくて残念でした。
もはやテレビという概念では視聴者の多岐に渡るニーズを抑え切れない。特にシード権争いを伝えるということに関しては面白みが欠けていたと思います。
従来の方法で一元的にならざるをなくても、現代の我々はネットはもちろんのこと、twitterやUstream、ツイキャスといったソーシャルメディアを通して個々がそれぞれの見方を知っているがゆえに、テレビに限界を感じて不満が募ってしまう、そんな状況に陥っているわけです。
久しぶりに独走する大学が出てきたが故に、この10年で気が付かなかった箱根駅伝肥大化による悪影響、時代の流れについていけないメディアの問題点が一気に目に付くようになったと思いました。
そもそも「バブル臭」がするようになってきた箱根駅伝
それにしてもこの不景気の中、物凄いコストを掛けて中継していますよね。正月三が日にテレビ局スタッフ、警察、そしてボランティア、物凄い人員を導入していますし、当然ながら交通規制も凄まじいものです。
いまのところは大きなスポンサーもついているようですし、箱根町の様子などをみても経済効果は絶大だと思いますが、こんな景気が現代でどこまで続くのかを想像すると少々不安になります。
それでも観衆から絶大な支持をされている限りは続けられるのでしょう。
しかし、どう考えてもこの肥大化は時代と逆行した動きであることに間違い無いと思います。経済状況などを考えるといつまでも大掛かりでお金をかけた運営は難しくなってくると思います。
そうはいっても国民的大イベントの箱根駅伝はやっぱり面白い。
20数年来のファンとしては、来年も間違いなく箱根駅伝に夢中になると思います。今年改めて感じた問題点が少しでもいい方向になってより楽しく観戦できるようになるといいな。
あらためまして、東洋大学の選手たち、優勝おめでとうございました。